2 最初に覚えておきたいこと。

写真は、カメラという道具を使って撮ります。

道具を使う作業として当たり前のことなのですが、道具が手になじむ頃、やっと、少し写真が上手くなります。

2〜3時間のワークショップに参加して、すぐに、写真名人になれるものではありません。

 

最近のカメラは、何でもオートマチックで、そこそこ奇麗に写ります。でも、そこからもう一歩進んで、思い通りに写真を撮りたいと思うのなら、カメラのことを知らなければいけません。

ちょっと面倒ですが、理科の時間は必要です。

それほど難しくはありません。ここをやっておくと、後の上達が早いです。

 

*はじめて一眼レフを買うという方へ

最新のカメラはどこのメーカーのものでもよく写ります。でも、これから写真を勉強したいと思うのなら、新品を買う必要はありません。少し前のカメラと最新のカメラの差は、おもに高感度ノイズ特性と画素数の差です。A3サイズ以上に伸ばそうというのでないかぎり1000万画素以上は必要ありません。

カメラの中古市場は、すごく発達しています。お勧めのカメラは、このオリンパスE420。

少し前のカメラなので、中古店でしか手に入りませんが、なんと¥10,000くらいで手に入ります。コンデジしか使ったことがない人でも持ち歩けるコンパクトさが特徴です。

欠点は高感度ノイズ特性ですが、三脚を使えば問題ありません。

条件が悪くなると、画質が荒れることを知るのは、写真を覚えるには、かえって好都合です。工夫して荒れないようにすれば良いのですから。

▎レンズの焦点距離

レンズは、焦点距離が短いほど、広い範囲が写る広角レンズ、長いほど、画角が狭く、遠くのものが近くに写る望遠レンズとなります。

フルサイズセンサー(24mm×36mm)のカメラで50mm位のものが標準レンズと呼ばれます。

APS-Cセンサー(16mm×24mm)だと30mm、フォーサーズセンサー(13mm×17.3mm)だと25mmくらいです。

レンズの特性としてレンスが短いほど遠近感が強調(遠くのものが、より小さく見え、近くのものが、より大きく見える)され、長いほど遠近感が圧縮されます。

ものを見たまま、そのままに写したい場合(商品撮影など)は、遠近感が誇張される広角レンズは、特に、狙いがある場合を除いて向きません。標準レンズより、ちょっと長めくらいのレンズが向いています。それより長い焦点距離のレンズも、遠近感が不自然に見えます。

もし、これからレンズを買おうと思っているのなら、f2.8を目安に、より明るいレンズをお勧めします。単焦点レンズなら価格もそれほど高くありません。

 

 

▎シャッタースピードと絞り

カメラのセンサーには、常に設定した感度によって求められる一定量の光を届ける必要があります。

シャッタースピードと絞り値によってコントロールします。

 

例えば、シャッター速度を1/15secから1/30secにすると、センサーに届く光の量は1/2になります。

届く光の量が多い方から1sec,1/2sec,1/4sec,1/8sec,1/15sec,1/30sec,1/60sec,1/125sec,1/250secとなります。時間が半分になると届く光が半分になる。単純でしょう。

シャッター速度が遅くなるとカメラぶれし易くなります。その人のスキルとレンズ焦点距離によってカメラぶれ(厳密にいうと、ぶれているのですが、ぶれていないように見える)するシャッター速度は変わってきます。

この一段階の光の量は一絞り分といいます。

 

次は絞りです。レンズの中に絞りというものが付いています。これもシャッターと同じく光の量をコントロールしますが、スピードではなく、レンズの使用面積 でコントロールします。f値が大きくなるに従って、円に近い形を理想とする羽根が、外側から徐々に狭まっていくというものなのです。言葉ではイメージしにくいので、実際に、シャッターをバルブで切ってみて、レンズの中をを覗いて下さい。

届く光の量が多い方から、f1, f1.4, f2, f2.8, f4, f5.6, f8, f11, f16, f22となります。f値の数字が1.4倍になると1段分で、光の量が半分になります。この数値は覚えた方が便利です。暗記しましょう。

 

例えば1/30sec,f8と1/15sec,f11ではセンサーに届く光の量は同じということになります。シャッター速度と絞り値の関係、何となくわかってもらえたでしょうか?

 

いつもカメラ任せのP(プログラムAE)で撮影していると、なかなかシャッターと絞りの効果を感じられないと思います。できる事ならマニュアルでの撮影をお勧めします。

オートは、自分のスキルより、カメラ任せの方が成功率が高いと判断したときにだけ使います。

初心者でも、無理にでもマニュアル撮影を覚えた方が上達は早いと思います。

プロの場合、と言うか僕の場合、今でも、ほとんどの撮影はマニュアルです。シャッターと絞りを125の5.6、いや、250の4かな、と意識することでどんな風に写るかわかるからです。「あっちにもフォーカス合わせないとクレームになるな。もう2段絞っておこう。」とか。カメラにまかせてしまうと意識しなくなります。カメラにまかせてしまうと、意識していなかった自分の失敗も、カメラのせいにしてしまいがちです。

 

▎被写界深度

被写界深度は、フォーカスが合っているように見える被写体側の範囲のことです。近くのものと遠くのものが、どちらもフォーカスが合っているように見える状態を「被写界深度が深い」といいます。逆に1点にしかフォーカスが合ってない状態を「被写界深度が浅い」といいます。

 

言葉だけではわかりにくいかもしれません。実際に写真を見てみましょう。

カメラはAPS-CセンサーのNikon D7000 レンズは70mm。

フォーカスは、手前から3番目、真ん中の羊の目に合わせています。

羊の前後の間隔は約10cmのほぼ等間隔、一番手前と一番後ろの羊までの距離は約50cmです。

 

シャッター速度 1/60sec  絞り値 f2.8
シャッター速度 1/60sec 絞り値 f2.8
シャッター速度 1/30sec  絞り値 f4
シャッター速度 1/30sec 絞り値 f4
シャッター速度 1/15sec  絞り値 f5.6
シャッター速度 1/15sec 絞り値 f5.6
シャッター速度 1/8sec  絞り値 f8
シャッター速度 1/8sec 絞り値 f8
シャッター速度 1/4sec  絞り値 f11
シャッター速度 1/4sec 絞り値 f11
シャッター速度 1/2sec  絞り値 f16
シャッター速度 1/2sec 絞り値 f16
シャッター速度 1sec  絞り値 f22
シャッター速度 1sec 絞り値 f22

どうでしょう?

絞り込むに従って、前後の羊にもフォーカスが合っていくように見えます。

変化がわかりのにくいと感じたら、1番最初の写真と最後のものを比べてみて下さい。

f2.8では、真ん中の羊の目以外はぼけていますが、f22では、手前から2番目の羊から一番奥の羊まで、ほぼフォーカスが合っているように見えます。

これを、「被写界深度が深い」と言います。

また、等間隔で並んでいる羊なのに、手前側の羊はより大きくぼけています。

カメラからの距離がが近いほど、被写界深度は浅くなるということです。

ここがわかると、表現したいことによって絞を使い分けることが出来ます。

 

*被写界深度はレンズの焦点距離が短い(広角)ほど深くなる。長い(望遠)ほど浅くなる。これも覚えておきましょう。

 

レンズの特性として、絞り開放では、少し甘い描写となります。

開放から2絞りくらい絞ったところからシャープになるレンズが多いです。

 

また、被写界深度とは別の問題ですが、f16,f22と絞っていくと、小絞りボケ(回折現象と言い、全体がにじんだ様にボケる)が発生しますから、絞り込むほどシャープになる訳ではありません。

 

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