4 商品撮影ライティング 食品編

「商品を上手に撮りたい」という声が、すごく多くなりました。

これまでは、「商品撮影を専門にしているスタジオに依頼した方が良いですよ」と答えていました。

「でも、やっぱり自分で撮りたい!」「上手くなりたい」という熱心な声が多いのでこのページを作りました。

 

プロカメラマンの場合、仕事の効率上、大型ストロボを使う場合が多いのですが、1台数十万円と高額で、フラッシュメーターなど必要な機材も多くなります。ここでは、ローコストで撮影出来るタングステン電球を使ったライティングを紹介します。

 

このページを見ても、すぐには同じように撮れないかも知れません。

でも、まずは、「こういうものなんだ」と目を慣らすだけでも変わってきます。

 

最低限必要なものは、カメラ、レンズ、リモートスイッチ、ホワイトバランス用グレーカード、三脚、トレーシングペーパーまたは簡易撮影ボックス、背景紙、レフ版(厚紙とアルミ箔で自作)、黒ケント紙、これだけです。

「これだけって、結構大変じゃないですか?」という声が聞こえそうですが、カメラ回りを除いたら¥10,000位で揃ってしまいます。100均や文具店なども活用しましょう。

詳しくは、そろえたい機材のページでどうぞ。

 

大事なことを忘れていました。商品撮影の大原則は、種類の違う光を混ぜないことです。ですから、自然光が入る部屋の場合は、遮光カーテン(出来れば、白またはグレーのモノトーン)が必要です。部屋の照明は、もちろん消します。

夜撮影すると言う手もありますね。

 

*これから、よく使う言葉として「面光源」「点光源」があります。

 

面光源=曇り空の光ように強い影が出ない光。スタジオ撮影では、トレーシングペーパーなどのディフィューザーを透過させたり、白い壁に反射させて作ります。

ライトとディフィューザーーの距離が近いほど光質は硬く、遠くなると柔らかくなります。

反射させたものを透過させるという合わせ技も使います。

 

点光源=晴天の太陽光の様に強い影が出る光。電球の直接光。夏の強い影をイメージさせるなどの意図がないかぎり通常の撮影では、あまり使いません。サングラスの撮影などではよく使います。

 

物撮りのキモは、ズバリ、質感描写です。ライティングは、「どんな質感にしたいからから、こんな光」と言うように写真に求められる感触を実現するために必要なテクニックです。

 

写真が大きいので、スクロールが大変ですが、お付き合い下さい。

▎食品を美味しそうに見せる

光沢のあるパン
写真1 カメラNikonD7000 レンズ70mm 1/50sec f4
パン1のライト

「美味しそう」と思ってもらうために何が必要でしょうか?

このパンの場合、パイ生地のサクッとした食感と、ダークチェリーの照りから口に入れたときの甘さを想像してもらうことだと考えます。

ライトの位置には、なぜそこにあるのか?という必然性があります。

この写真の場合、ダークチェリーの照りを出すことが大事ですから、カメラとの反射角を考え斜め後ろ方の半逆光です。

角度は、必ずカメラの位置から見て決めていきます。

パイ生地の質感を出したいので、ライトをトレーシングペーパーにぎりぎりまで近づけて、硬めの面光源としています。

ライトはその1灯だけ、自作レフ版2枚を補助光とします。

レフは、ただ置くのではなく、陰影を見ながら決めていきます。銀では強すぎるときは白を使います。

修業時代「レフはな、ただ置くような気軽なもんちゃうで!」(京都弁で)とよく怒られたものです。

 

*注意:トレーシングペーパーなら写真くらいの位置でもギリギリ耐えますが、化学繊維のディフィューザーの場合溶けてしまいます。最悪火事になりますので注意が必要です。ランプをつけたまま現場を離れてはいけません。

 

パン2写真
カメラ写真2 NikonD7000 レンズ70mm 1/30sec f6.3
パン2のライト

より生々しく食欲の本能を呼び、感じてもらうための、切り口の質感を出すためのライトです。

ダークチェリーを口に入れたときの食感、甘さ、クリームのとろ〜っとした食感を感じてもらえたら成功です。

半逆光ではでは、この質感は出ませんから、ダークチェリーの切り口の映り込みを見ながら、表面の陰影が出る真横くらいまでライトを持ってきます。少し硬めの光が欲しいので、トレペとライトは、近いままです。陰影を無くしたくありませんからレフ版は、少し離した位置に1枚です。

カメラアングルは、ほぼ水平まで下げます。

ここまで寄ると、被写界深度が極端に浅くなるので、レンズの絞りはf5.6〜f8くらいまで絞ります。

ステーキの切り口などもこの方法で良いと思います。

汚いと感じる寸前の、ギリギリのあたりが本能に訴えると僕は思います。

*トレペ=トレーシングペーパー。小さなサイズなら文具店で、ロールの大きなものはヨドバシなどで買えます。アマゾンでも。

3ドーナツ
カメラ写真3 NikonD7000 レンズ70mm 1/30sec f6.3

ドーナツ。この写真は、ザクッとした口当たりを感じてもらえるかが大事ですね。

ライトは写真1と2の中間くらいの角度からです。もともと表面の質感が豊富ですから、ライトとトレペの距離を少し離して、質感が柔らかめに出る様調節しています。

どうですか?出来そうですか?

ここでは、トレーシングペーパーをディフィューザーとして使いましたが、ライトスタンドやアームといった機材が無いと、トレペを固定するのさえ難しいかもしれません。

ヨドバシカメラなどに行くと、簡易撮影ボックスなどが、¥10,000以下で置いてあります。

応用が利かないのでプロはあまり使いませんが、最初はそういうもので、面光源の効果を知るのも良いと思います。

 

ただし、ライトを近づけすぎると、溶けます。燃えます。

火事はシャレになりません。くれぐれもご注意下さい。

 

何かわからないことがあったら、遠慮なく、お問い合わせフォームからどうぞ。

すぐにとは約束できませんが、出来るかぎり答えていきたいと思います。

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